TOLQ — 記録された衣服。
それは、再現ではない。
過去に存在した衣服や風景を、
別の素材へと転写することで生まれる“ズレ”。
TOLQは、リアルとフェイクの境界を曖昧にしながら、
新しい衣服の在り方を提示する。
2026年春夏、RISHにて展開がスタートする。
記憶を転写する服
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TOLQ(トルク)のプロダクトは、単なるプリントではない。
実在するヴィンテージを解析し、
経年変化や質感までも含めて“情報”として再構築する。
色落ち、パッカリング、スレ。
それらはすべて、時間の痕跡だ。
TOLQはそれを、“情報として再構築する”という方法で表現する。
転写ではなく、再構築
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TOLQが扱っているのは、素材ではなく“情報”である。
ヴィンテージウェアを撮影・解析し、
色や質感だけでなく、経年変化までもデータ化。
その情報はそのまま貼り付けられるのではなく、
新たなパターンに合わせて再配置される。
つまりTOLQは、過去をコピーするのではなく、
衣服の記録を再設計している。
しかし、その精度は一度で成立するものではない。
理想の仕上がりに辿り着くまで、
50枚、60枚と撮影を繰り返し、
何度もプリントと調整を重ねていく。
ディテールの最終的な判断は、すべてデザイナー自身の目によるもの。
手間のかかる工程だが、
この積み重ねこそが、TOLQのリアリティを支えている。
本来、長い時間と着用によって生まれるアタリや色落ちを、
別のプロセスによって再構築する。
そこに生まれるのは、
“まだ着ていないのに、すでに記録を持っている”という状態だ。
そしてその違和感は、
実際に袖を通し、触れた瞬間にさらに強くなる。
見た目と触感のギャップ。
そのギャップは、実際に触れることで完成する。
26SS COLLECTION
構造としてのレイヤード
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Levi’sのデニムジャケットとミリタリーウェアのモッズコート。
本来交わることのない2つの文脈を、1着に統合。
ヴィンテージデニムの質感が、
軍物のシルエットへと転写されることで、
視覚上のレイヤードが生まれる。
それは“重ねているようで、重ねていない”構造。
1枚で成立する二重構造
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同じくLevi’sのデニムとミリタリーウェアを掛け合わせたショーツ。
異なる2つの要素を、情報として重ねた1本。
立体的なレイヤードではなく、
視覚的な構造として成立している。
強い存在感に反して、
着用感は抜群に軽い。
刺繍ではないスカジャン
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スーベニアジャケットの象徴である刺繍を、
転写によって再構築した1着。
本来、糸によって立体的に表現されるモチーフは、
情報としてフラットに置き換えられる。
その結果、刺繍特有の重さや厚みは消え、
イメージだけが純粋な形で立ち上がる。
“装飾”としての刺繍ではなく、
“情報”としてのグラフィック。
それは刺繍を失ったのではなく、
別のかたちで成立させた表現である。
スカジャンという文化的な記号を保ちながら、
その構造を別の次元へと変換したプロダクト。
最もリアルなフェイク
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ヴィンテージデニムの表情をそのまま転写しながら、
実際にはスウェットパンツという構造。
デニム特有の色落ちやアタリを持ちながら、
着心地は柔らかく軽い。
“リアルに見えるフェイク”ではなく、
フェイクであることを成立させたリアル。
複製の、その先へ
あらゆるものが複製可能になった時代に、
TOLQはその先を提示する。
それはコピーではなく、再構築。
過去をなぞるのではなく、
記録を新しい形へと変換するという行為だ。













