「Future Vintage」を体現するプロダクトブランド
visvim(ビズビム)は2001年、デザイナー・中村ヒロキ氏によって設立されたブランド。一般的なファッションブランドというよりは、「プロダクトブランド」と呼ぶほうがその本質に近い。掲げるコンセプトは "Future Vintage" — 普遍的な美しさを湛え、後世に残っていくものづくり。デザイン、素材、パターンはもちろんのこと、生産工程の最深部まで掘り下げてvisvimのプロダクトが開発されている。
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素材へのこだわり — 生地から副資材まで自社開発
visvimの生地はほぼすべてがオリジナル、もしくは別注。裏地、縫製糸、ボタンといった副資材に至るまで、ほとんどがオリジナル仕様で作られている。ファスナーは長らくスイスの名門 riri をメインに使用していたが、2025年より大手ファスナーメーカーと協業でvisvimオリジナルのファスナーを開発。プロダクトによってはヴィンテージの副資材を組み込むこともあり、一着の中に時間軸を超えた素材が共存している。
中村ヒロキ氏の旅から生まれるデザイン
visvimのものづくりの源泉にあるのは、中村ヒロキ氏が世界各地への旅を通じて出会った伝統工芸・文化・技術。アメリカ先住民のモカシン、日本の藍染、北欧サーミ族の衣装、フランスのワークウェア、アーミッシュのパッチワーク — 旅先で蓄積された一次情報が、visvimのアーカイブを支えている。
伝統技法による天然染め — 藍染め・草木染め・泥染め
骨董品から着想を得て生み出された藍染め、草木染め、泥染め、柿渋染といった天然染色がvisvimの特徴。現代の化学染料では決して表現できない、深く揺らぎのある美しい表情を纏う。これらは伝統技術を持つ職人と長期的にタッグを組み、継続的に取り組んでいる。古き良き伝統技術が時代の波に消えてしまわないよう、visvimはブランドの発信を通じて次代へと繋いでいる存在でもある。
国内生産を軸に「適材適所」のものづくり
visvimの生産は国内をメインとするが、すべてを日本で完結させるわけではない。"餅は餅屋" の精神で、最良のものを最良の場所で作る。例えばレザーはイタリアに勝てない領域。イタリア製のレザーをイタリアで縫製し、最終加工は技術に長けた日本の職人が施す — このように、素材と工程ごとに世界最適地を選び抜いている。
経年変化が美しさを増していく
長い時間をかけて開発されたvisvimのプロダクトは、着用者の生活に寄り添うほどに表情を変えていく。革は艶を増し、デニムは身体に馴染み、天然染料は使い込むほどに陰影を深める。経年変化(エイジング)によってさらに美しくなることそのものが、visvimのプロダクト設計の出発点になっている。
アイコニックなプロダクト — FBT、Christo、Social Sculpture
visvimの代表作「FBT」は、Fun Boy Threeのテリー・ホールが着用していたモカシンに着想を得たアイコン。ネイティブアメリカンのモカシンを現代的なスニーカーソールと組み合わせ、ブランドを象徴する一足となっている。サンダルの「Christo(クリスト)」、糸から独自開発したデニムライン「Social Sculpture」など、ライン名そのものが文化的なシグナルとなる定番群を擁する。
裏原ブームから「男のCHANEL」へ
裏原宿ブームの際に藤原ヒロシ氏がモカシンを愛用したことでvisvimは日本で広く知られるようになったが、現在のブランドイメージも価格帯も当時とは大きく異なる。エリック・クラプトン、ブラッド・ピット、ジョン・メイヤー、ファレル・ウィリアムスといった世界的なアーティスト・俳優を顧客に持ち、"男のCHANEL" とも称されるほどに。メゾンブランドと肩を並べるブランディングを確立している。
